空き家問題

テレビでもよくみかけるようになった空き家問題。

過疎の田舎だけの問題でなく、都市部でも大きな問題になっているようです。
2015年の空き家率は全国で15%を超え、世田谷のマンションの空き家率は、12.8%。

日本の人口は減り始めていますが、じつは世帯数はまだ減っていません。理由は単身世帯や、高齢者世帯が多いから。しかし、高齢者世帯の家はやがて空き家になる可能性が高く。いずれ世帯数も減少に転じれば、空き家問題はさらに深刻化することが予想されます。

一方で日本人の新築好きのためか、新築の供給が続いています。
不動産業界のビジネスモデルとして新築住宅を建てたり販売したりで利益を得ている構造ができあがっていて、簡単には方針転換できないのでしょう。

そして、中古住宅の流通はあまり増えていません。
日本では新築住宅を好んで購入しますが、かったとたん2~3割資産価値が下がるといわれています。最初の10年で価値はもっとも下がるといわれているのに、住宅ローンは最初の10年はなかなか減りません。
よって、築浅の中古物件は売るとオーバーローンになることが多く、売るに売れない状態になったりします。

最近ようやく中古物件を買ってリフォームやリノベーションをするということが知られてきていますが、まだ層としては少なく、またリフォームやリノベーションの費用を中古物件にのせて売るというのは一般化していません。建物はあくまで築年数で価値が下がるとされているのです。つまり売主のリフォームやリノベーションは価格に反映されにくいので、購入する側が行う前提で売買されています。

自治体はこの問題にかなり前からとりくんでいて、空き家を解体したり、リフォームしたりする費用を補助したり、貸し付けたりしてます。しかし、更地にすると住宅として利用していないとみなされ固定資産税が上がるため、ほとんどの人は利用しません。リフォームも自分で住む以外では、やっても売るときの価格に反映しにくことから利用されにくいのではないかと思われます。

自治体の取り組みがあまり効果がないことから、国土交通省が2015年に空き家対策特別措置法を施行。
特に危険度が高い空き家を「特定空き家」とし、更地と同じ固定資産税をかけたり、持ち主が指導に従わない場合は自治体が強制的に解体できるようにしました。
しかし解体費用の回収が難しいことが予想され、件数が増えればこの方法にも限界がきそうです。とりあえず「道路を通したいのに解体できない」などの問題は解決しそうですが。

そもそも「問題となる空き家の所有者がわからない」ということも、空き家問題を大きくしています。日本では不動産を相続しても名義変更は義務ではないため、名義変更をしていない不動産も多くあります。
亡くなった方名義になっている不動産は、相続人全員の同意がないと売ることも貸すこともできません。そして、相続が2世代にわたっていると、すでに相続人全員の所在をしることも難しくなります。

離れて住んでいる親がいれば空き家問題は他人ごとではありません。
日頃から相続人同士で、不動産についてどうするか話あっておき、親が亡くなったときには遺産分割協議のうえ、名義変更をきちんとしておくことが大切になります。

ほとんどの場合、住まなくなった空き家は売ることになると思います。
そのとき問題になるのが、相続人全員の同意、家にある荷物、境界線などの問題です。
境界線などは燐家と口約束になっていることも多く、親が元気なうちに境界線について聞いておくことをおすすめします。

また、場所が悪く、なかなか買い手がつかない場合、燐家に寄付するなどの方法が考えられます。贈与税と名義登録のお金がかかることを相手に承知してもらえれば、うまく手放すことができるかも。

使わない空き家をもっていると、固定資産税や都市計画税が毎年かかります。
空き家は放火被害にあいやすく、ときには犯罪者が侵入するなど、周辺にも迷惑がかかることがあります。
地震や台風で家が壊れる可能性もあるし、雑草がはえ、傷みがすすむと害虫が発生したり、害獣が住み着くことも。
管理サービスを始める不動産会社もでてきていますが、相場は、月1回の巡回で1万円/月、これを何年も続けるのは難しいでしょう。

不動産投資としては負の資産になる可能性が高い空き家は、住む予定がなければ早めに手放すのがおすすめです。

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